〒960-8141 福島県福島市渡利字岩下1-9

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ピアノ教室って、どんなイメージがありますか?

多少ピアノをかじった方ならば、「バイエル等の基礎から始まり、練習曲と平行してレパートリー曲を弾いていく」 こんなところではないでしょうか?そしてある程度譜面が読めて融通が利くようになると、他のジャンル(ポピュラーやジャズアレンジもの)に手を伸ばすようになったり。

従来のピアノ教室はここ止まりのところが多かったように思います。実際私も20代まではこういった形で教えていました。しかしこの『他のジャンルというのが実は厄介なのでした。

クラシックオンリーでやってきた人がポピュラー系を弾くと、とたんに壁が出来てしまうのです。原因は、リズム・和音・雰囲気をつかめないからです。普段の生活で耳に入ることが多いはずのポピュラー音楽なのに!(おそらくクラシック音楽よりは聴いているはずです)

これがきっかけで演奏が伸び悩み、弾けないので当然つまらなくなります。そして仕事が忙しくなったり生活環境が変わるのをきっかけに、ピアノをやめてしまう方が出てきます。はっきり言うと、これは教える側の誘導ミスだと思います。「クラシックをやってきたのだから譜読みが出来る。ならばポピュラー系も一生懸命譜読みすれば弾ける」と、その考えを生徒さんに押し付けてしまうと、生徒さんは大きな壁を作ることになりかねません。

なぜなら、先生はピアノ経験が豊富なので、曲のジャンルが多少変わっても、リズムや音を拾えるし雰囲気だって器用につかめてしまいます。(中には〝クラシック以外は苦手〟とはっきりおっしゃる先生もいらっしゃいますが) 自分が出来ることは、他人にも出来る可能性があると思っていると、このままズルズルと教えていってしまうのだと思います。と言いますか、かつての私がそうでした。指導経験や人生経験が足りないのも一因かと・・・当時の生徒さんたちには、本当に申し訳ないことをしたと反省しております。


さて、今のピアノ教室はポピュラーやジャズ系を専門に教えるところが増えました。それは、クラシックピアノとは違って、ポピュラーは「楽譜にすべて答えあり」では弾けない分野だからです。コードを理解して更にはリハーモナイズ・・アドリブなどというものがあることをまず知らないと、アレンジ済みのポピュラー系楽譜を弾きこなすのは難しいからです。クラシックピアノとはまた別の分野になるので、生徒さんはご自身の方向性(クラシックか、ポピュラーか)に合わせて選ばれるといいと思います。

でも実は「クラシック・ポピュラー両方とも習いたい」って人が結構多いのです。日本人はもともとクラシック好きだし、中庸の精神を大切にします。クラシックの基本を身に付けた上で、ポピュラーのコードワークを習えればこんな強みはないと思います。

そしてこんな事を書いている私が〝同じ道を辿ってきました。きっかけは学生の頃、ナイトクラブでのピアノ弾きのオーディションを受けた時のこと・・・。面接と軽いポピュラー曲演奏のあと、お店の人に「あ、そうそう。うちの閉店用音楽が〝テネシーワルツ〟なの。ちょっとアドリブ入れて弾いてみて」と言われたのです。アドリブ・・・ 『やったことありません』と言えばよかったのに、何故だか弾き始めた私。 当然メチャメチャでした(笑)舞い上がり過ぎて、途中なんて4拍子になっていたかも知れません。ワルツだっていうのに!そしてオーディションに落ちたのは言うまでもありません。

こんな苦い経験をたくさんして、やっとコード譜を弾く練習を始めたのです。なので私もクラシックからコード演奏へという道筋を辿っている一人です。クラシックで大学を出た私がポピュラーへと間口を広げたことは、私の貴重な財産となりました。この2つのジャンルを一緒に教えられないかと試行錯誤を始めて10数年経ち、今の『たちかわピアノ教室』があります。

生徒さんの要望は様々ですし、一人の生徒さんでも長い間にやりたい内容が変わっていく事もあります。これらの要望に臨機応変に答えられるよう、クラシックとポピュラーを共存という形とっており、また当教室の大きな特色のひとつとなっています。